オレなんで生きてんだー
生きる意味を教えてけろ などとのたまう
おら 知らねー じゃぁ死んでどうなる? では生きててどうなる?
人と同じが嫌だとか そういうのはあまりない
自分が好きなことやってたら 同じにはならんでしょう?

真夏のストレート
少し前の夏は8月 短い旅をした
自転車で一人 ザックにテント突っ込んで
すごく暑かった
暑い日の連続だった
毎日何リットルもの水を飲んだが ちいとも小便となって出てこない
んん! と下腹部にロッケンロール注入も
ちょろ ちょろ と 力なく出るのみ
ついでに タイヤがパンク ああ やんなっちゃた
だいたい なんじゃー このガラスの破片はよー!
面倒くせーぞ
取り合えず日陰避難
自転車引っ張ってって タバコに火をつけた
ブンブン先をゆく自動車 そんなに急いでどこへ行く
煙の向こうに知らない山々が見えて はるかその上に大きな太陽
”パンクしないタイヤ欲しい しかも軽いやつ”
オレ何やってんだ
ずっとそこにいても仕方がないので
日陰のない峠を自転車ついて下った
公園の水道で入浴
近所の人に ここへテント張っていいかと尋ねれば
「あなたさえ 良ければ」と 単純明快
夜はそこらの浮浪者のおっさんがいる公園でテント張って
一人酒を飲んで歌った
お金を払えば 快適なキャンプ場もあるが いかんせん遠いから
自転車じゃ無理 金も無いしな
そこから 丸い月とお城が見えた

自転車だけは盗まれると困るんでテントにくくった
テントは面倒なんで杭も一切打たない
だから 強い風が吹くとバサバサいってテントが揺れた
天国生まれに合わせて
朝は日の出と共に目が覚める
テント内は燃える暑さ だらだら寝るのは無理
あぢー また ふらふら 自転車を漕いだ
えーっと
オレどこへ行くんだ
時折 海が見えれば 自転車を停めて
「暑いなー」 と独り言
そこを自転車ギコギコと同志が横を通り過ぎて行く
大量の荷物を自転車に括り付けた 中学生くらいの男の子
いや 高校生くらいか
互いに会釈を交わし見送った
旅ってなんだっけ?
すると
「どこへ行きなさる?」と見知らぬおっさん
「四国を周っている」と答えると
「一人旅か 若いってええな おれもしたいなー」
と言って去っていった
旅が若者の特権だ なんて時点で つまらんなーと思ったが
おっさんはおっさんの事情があろう
あの おっさんも天国生まれかもしれない
じゃぁ オレの事情ってなんだ?
今も人生 旅の途中
叶わない恋もあった
叶わない夢もあったか
生きる意味?
おら 知らねー わからないまま死んじゃうんじゃないの?
大きな海からびゅーと風が吹いた
ふるさと遠く天国生まれ
旅に出て 4日目 恵みの雨が降った
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