筆箱に鼻くそを集めている同級生がいた
絵の具を食べたり、水に薄めた絵の具を飲んだりしていた友人もいた
「赤が甘くてうまい」そうだ

別に白いギターを狙ってたわけでもなく…
純粋においしかったのかな?
*危険です 絶対にマネはしないでください
あと、水晶を集めていた友人もいた
仲が良かったのでコレクションを見せてもらったこともあった
すると中には明らかにただのすり減ったガラスみたいなのがあったので
「これはただのガラスだ」と言ったら
「いや、これは珍しい天然水晶。なかなか無い」と彼は言った
情熱の前ではそれ以上の言葉は無意味だから
もう余計なことは言わずにおいたのです
彼とのエピソードでこんなのもある
小学生グループ同士のケンカ
僕らの仲間の一人が相手グループに捕まった
たいへんだぜ!
そして
当時やってた「太陽にほえろ!」なんかの刑事ものでよくある、人質を後ろから
羽交い絞めにしナイフを突き立てるなんてシーンが小学生のスケールで再現された

人質を羽交い絞めにした子が
「コイツがどうなってもええか?コレが何かわかるか?」と言って
小学生なりに精一杯凄んでみせたあとに
ガラスの破片を天に突き上げた
すると
「ああ 水晶!」と言ったのが彼でした
ナイフ代わりの刃物としてガラスを選択した相手の子は照れくさそうに
「違うわ!ガラスじゃ!切れるぞ!」と訂正していた
*危険です 絶対にマネはしないでください
継続は力だ
どんな物でも何年も集めれば、嗜めばね
その同級生は今も鼻くそ、水晶を集めている・・・なら もう美談だ
ネタのひとつにもなって雑誌やTVに出られるかもしれない
そんな度量の問題
私は変わったものを収集した人、嗜んだ人にはたくさん出会ったが、
今はもう皆がまともな大人なった
ほっとした反面、ちょっと寂しい気がする
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ラベル:みうらじゅん