2009年08月04日

哀愁の町のイカダチームF

毛人3.jpg

我々のイカダはゆっくり進む

先ほどまでの激しかった瀬とは打って変って穏やかな川

川とは一瞬にしてこんなにも表情を変えるもんなんだ…と身を持って知った6人だった


「疲れた」


「まじで疲れた」と高山病伝説のケリー


「ゆーか 最初からお前ずっと疲れちょるやか」


「ほんまよ」


皆から言われケリーはこう言った


「おおおお いかん! すまんけんど… うがいさせて…」

「うがい?」

「うがいと顔も洗わせて まじイカンちや それで復活するけん」

「お前まじでじじいやな まー 洗えや」と軍曹が言うと

「洗う間はしばらくイカダ漕がんで」とケリーはみんなに念を押したあと


ばしゃばしゃばしゃ ぐごごごごうう べべっ


とやって

「うおおお すっきりしたー」と言った


オールを握り、また漕ぎ始めたケリーをオレは横目でチラリ確認する

すると、復活してはおらず… 

洗顔とうがいをしてスッキリしただけのじじいだった



イカダは進む


「おい これ どんなもんよ」


「ようわからんな」


「毛人(もじん)2号は?」


そのはるか先に毛人2号の姿が見える


「近づいたか?」

「…ような気もするね」

「よし 行くかー 声出そうぜ」


「イチッ ニッ イチッ ニッ」


えっちらおっちら進む気合いを入れ直した毛人(もじん)1号


「流れは?瀬はないか」


「あれは?瀬?」


カーターが川の左隅を指さして言った


「おお そうやな」


徐々に瀬に寄って行く


「待て この角度であの狭い瀬に突入するとヤバイことないか?」と軍曹  

「よっしゃ 竹」 と伝説のケリー


「竹?」


これまで使用しなかったが、このイカダ毛人1号には長さ3mの竹の棒が積んである

川底や岸を突き、イカダの方向転換に使用するのだ

 

毛人(もじん)1号 現在の状態
*衝突してからは逆転して進んでいたのだ
イカダ逆転.jpg
(↑クリックすると拡大します)


一番不安な伝説のケリーが立ち上がる

「よし オレ突くけん なんとかしよう」

奴は方向を変える気だった 激流を前に立ったままで

行動はカッコよいが、明らかに無理があった


瀬は川の隅を走り、そこに木が生い茂っている


「バカ、お前危ないぞ」と軍曹


「ケリー 座れ 座れ」とオレもケリーを引っ張る


「いかんいかん 座れ そのままやと瀬で落ちるぞ」


「ええぇ? いかんろうかね?」

ケリーが中途半端に断念し座ったところで瀬に突入した


ずばばばっばばばりりりりりりりりっ


「うわわわわ 木がーーー」


「木ぃぃぃーーーーーーー」


これまで違う激突音のばばばりりりりっていうのは

木だ


生い茂る木への激突音


「大丈夫かーーー?」


今度は岩が!


どばぎぎぎぎぃぃいぃぎぎぎいいいいいいいいい


得意の反転

毛人(もじん)1号 現在の状態
イカダ通常時.jpg
(↑クリックすると拡大します)



「うおおお 今度も激しいにゃー」



するともう1発瀬が+生い茂る木


(なぜだか川の隅でめちゃくちゃになっている毛人1号!!!)



するとオレの前で男前ビリーが伏せた

ペタリとイカダにうつ伏せになったのだ


「おお ビリー伏せたか」とオレは叫んで それに倣った



もうさっきからイカダを漕ぐとかいう状態ではない、なすがままだ


オレもペタリ伏せる


来た!!!


ずばばばっばばばりりりりりりりりっ


ついでに反転!!!!!



「ぐうわっわわわわーーーーーーーーーーーーーー」



「おおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーー」



後ろでジョニーと軍曹の声がする

木の茂みを抜け、後ろを確認すると


「あれ?」



「ジョニーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


落船


デカイジョニーがまた落ちていた

それを助ける軍曹


「放して 放して」とジョニー


オレらはその状況がうまくのみ込めない


見れば川に落ちたジョニーの足を軍曹が握っていた

つまりジョニーはイカダ上の軍曹に足を持たれていることによって、

逆さ吊りの状態で裸一貫瀬の中を引っ張られている状態だ


「放してーー イカダに戻れーーーーん」とジョニー


「おお そうか」と軍曹が手を放した


また


「うおおおお」

ざばばばーーーーーとジョニーがイカダに復帰した


「ジョニーは じきに落ちる」と軍曹


しかし怪我もなく無事戻ってきた


「おい みんな大丈夫か?」


「大丈夫 大丈夫」


「ううーん すごかったね」カーターが言った


皆、疲労度とふけこみ具合がすごい


イカダや自分らの体のところどころに木切れや葉っぱが散乱している

激闘の跡…



「まだ… まだ あるかにゃー 難関は」




「ふおおおおお」


隣で伝説のケリーが変な声を出した

「そういやぁ さっきよ 木にぶつかりそうな時、ビリーとっさに伏せたでね」

とオレが言うと

「いやいや 違う あれ とっさに身構えたら足が滑ってああなった」


「ええ! そうながかー オレの前で素早く伏せたけん関心したがに」


「違う 滑った」

体中が木切れ&葉っぱまみれの男前ビリーはクールにそう言った


「まだもうちょいあるで 最後に沈下橋もあるし」

カーターが冷静に状況を伝える


「そうかー 行くぞ」軍曹が言った


また緩やかになった吉野川を進む


「流れは?」


「あっち」


できるだけ流れに乗って…


毛人2号はもう見えないし、レースの現状は相変わらずわからない

とにかく進め

着けばわかる


漕げ1号!


行け 1号!!!



↓毛人(もじん)1号の誓い
毛人1号.jpg
(クリックすると少し拡大します)



つづく



posted by yuzamurai at 13:49| Comment(4) | TrackBack(0) | たびの手帖(Thee 四国編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。