2009年08月05日

哀愁の町のイカダチームE

ついに6話までやってきた

その記念にとはなんだが

調子こいてあの日のオールを哀愁の町の空にかざしてみるのであった

哀愁の町にオールをかざすのだった.jpg


勝手な記念日


今日の宿毛市は若干のくもり空

パンツ一枚、玄関でオールをかかげるオレ

素敵すぎる



さて・・・

いかだA.jpg

吉野川をずんずん進んでいく

流れに乗った 速いぜ


などと思っているのはオレらだけで、周りで見ている人からすると

”イカダとは実にのどかだなぁ” なんて思っているかもしれん 

が、必死なのだよ オレらは


「これ 順調?」

「さぁ? つーかこれ早いのか?」

それでもバシャバシャと手作りのオールで漕いでいく


「よーーし 声出しー」


「イチッ ニッ イチッ ニッ」


掛け声はいい

ただこれで合っているのか?合っていないのか?どこで漕ぐのか?

わからない…

頭の中を?で一杯にしながらも自己調整を施す

最終的に皆が自然とイチッでオールを着水し、ニッでオールを水から漕ぎ抜いた


「でも、なんか漕ぎづらいな」とオレが言うと


「お前の持ち手、右手と左手が逆じゃん」と的確なジョニー


なるほどね なんと初歩的ミス

漕ぎづらいわけだわ



それでもイカダは進んでいく


「これ コースこのままでいいか?」


「あいつら(毛人2号)右側に進路取りようぞ」


「流れは?」


「右だ。あいつらに続こう」


「よし、右に舵を取れ。左の者だけ漕げー」


前方、川の右隅に小さく毛人2号が見える 流れも中央からその右側に変わったようだ

男前ビリー、オレ、軍曹のイカダ左側の者だけ漕ぐと船体が右へと傾いた


毛人(もじん)1号 現在の状態
イカダ通常時.jpg
(↑クリックすると拡大します)



「よし 今度は全員で漕ぐぞ!」


流れのある右へ川を斜めに突き進んでいく


「もうすぐや」


今度もうまく流れに乗れた


が、しかしである


「んん?流れ大したことなくない?」


「やね。乗ったには乗ったけどなぁ」


コース取りは難しい これをうまくやれるかやれないかで、大きく違うハズだ

毛人2号との差は縮まらない


「うーむ」


そう唸っている間に雑草が生い茂る右側の岸にずいぶんと寄ってしまった

しかもかなり浅い


「必要以上に右に寄ってくぞ」


「あ 座礁する」


「漕げー 突けー」


うまく流れに乗れない右曲がりのダンディズム


皆で漕いでコースの修正


が、またすぐに右へ寄ってしまう


「何故だ?何故オレ達は右に曲がるのだ?右へ流れがあるわけでもないのに」


「右側の漕ぎが甘いのではなかろうか?」


「いやいや ちゃんと漕ぎようって」と右側の船員から反論がある


それでも地球は回っているではないが、それでも船は右へ曲がるのである

困ったもんだ


「また、曲がった!船が悪いがか?」


船(イカダ)に責任転嫁している間にも2号に離される



川幅は徐々に広がり今は流れもなければ、2号の姿もない


「おい すげー浅いぞ もうオレがイカダを押す」


業を煮やした軍曹はそう言ってイカダから降りた

水深はひざ上ほどしかない


「よ−し お前らは漕げー」


バシャバシャと水しぶきを上げながら、宿毛の鉄人ハルク…いや、軍曹が後部から

イカダを押した


川幅は広いのに右側の隅っこでおかしなことになっている毛人(もじん)1号


「普通に漕ぐだけよりこっちの方が早い」


そうやってしばらく進む


「おい! あれ 誰かおるぞ?」


カーターが指を射した先に人が見える

この大会のスタッフのようだ

カヌーに乗ったスタッフがコース案内をしている

その中の一人が体を大きく使って”こっちへ来い”とジェスチャーした


「あっちやってよ」


「よーし 行くかー」再び軍曹がイカダに飛び乗る


「あいつら見えんなったなー … 漕ぐぞー」


とにかく前進、それしかない


近づいて行くと先に瀬が確認できる


「おお あれ 激しいぞ」


カヌーもイカダも素人なオレらの目には非常に激しい瀬に映る


そいつは容赦なく近づいてきた


そうやってたじろぐオレらを、数人の大会スタッフはカヌーから岸から見守っているのだ



「これはすごそー」



目の前に広がった難関に


「うおおお 行くぞー」と声をあげると同時に


「瀬に入るコースは?」と誰かが言ったが


もう遅かった

まんま突入…


「もうええ このまま行くぞー」とカッコよく言ったのが、このまま行くしないのである

修正方法は誰も知らない

なすがまま突っ込む



スピードに乗ったイカダが激しく揺れ、今までにない水しぶきがあがる


「お、面白い! 気持ちええ」


これがカヌーの面白さなんだろうな(実際乗ってるのはイカダだが)

と思った、言った

いや…

思ってたり言ったりしている間もなく


「おおおお ぶつかるぞ」と誰かが声をあげた


見れば目の前にでっかい岩が突き出ている


「避けれ!」


「右?」


「左?」


「無理や」


ずがーーーーーーーん


派手にぶつかった


「うほほおお だ、大丈夫か?」


衝撃でイカダの船体が前と後ろで入れ替わっている


「いかんいかん 体の向きかえれ!」


つまり、こうなるわけだ


毛人(もじん)1号 逆転時の状態
イカダ逆転.jpg
(↑クリックすると拡大します)


「このまま行くぞ!」


すぐさま次がきた

また岩が目の前に…


「避けろ」


「無理! ぶつかるぞ!」



ずががっがががーーーん



また、前と後が逆転する。まるでピンボールのようだ

イカダ通常時.jpg


「うおおおおおお もう一発きた」


「今度も避けれんぞ」カーターと男前ビリーが冷静かつクールに言った



ズバリ命中!



ずずずずががががががーん



今日一番の衝撃


「あ あ あ あれ?」


「ジョニーーーーーーーー」


「いかん!ジョニーが落ちた」と軍曹


激しい流れ 


もみくちゃのイカダともみくちゃのジョニー


皆が叫ぶ


まずいな…


でっかいジョニーがなすすべもなく激流(個人的には激流であります)で流されている

イカダとその前に放り出されたジョニーがぶつかりそうになる


「おい!避けれ!避けれ!」軍曹が叫んだ


ずわわわわわわっわああああ


その激しい川音の中

「避けたらイカンやかー!!!」言うて、ジョニーはその激しい流れの中イカダに

掴まり、ざばーーーーっと浮上してきた


「おおおおおお すげー」感嘆の声が上がる  


「避けたら、戻れん」とジョニーが言った


とにかく復帰

しかし、まだ油断ならない


またぶつかるのだ


頭がパーになりそうなほどの激突回数

何度ぶつかったのだろうか? その岩という岩に吸い寄せられるようにぶつかる


ピンポイントでいくんだから


その衝撃と疲労で(ぶつかっただけで特に何もしてないのだが)、瀬を抜けた頃には

皆じじいみたいになってた(それはオレの隣の高山病の奇跡ケリーに顕著だった)


「抜けたな。いやー激しかった」


「でもまだ、これからや」



ひと段落な空気が流れる中で

軍曹が言った

「なんかお前 まじで じじいみたいなぞ」と


「えええぇ そう?」と力なく奇跡のケリーが笑った


高山病、あの日が蘇る(「たびの手帖」中頃の「麗しのロックンロール山岳部隊」参照


とにかく第一の瀬を越えたようで…


ただ、その先に何があるかはわからないし、

毛人(もじん)2号の姿も見えない


ジョニーは無事だった


オレらのイカダはかろうじて進む



「疲れたぁ」誰彼ともなくそう言った





つづく





ラベル:イカダレース
posted by yuzamurai at 12:08| Comment(4) | TrackBack(0) | たびの手帖(Thee 四国編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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