我が家のフロアへたどり着いた
長く伸びる廊下を少し歩くと左の窓から月が覗いた
薄明かり差す まあるい月
そういえばある詩人が
”私は生まれつき身体が弱いせいか、月に惹かれます。月が好きです。
それはあの燦々と輝く太陽よりも”と書いてた
太陽より月ね… なるほど なるほど
太陽は燦々と輝きすぎて裸眼で眺めているなんてことはとても出来ないが、月なら平気だな
とじーっと凝視
「まあるい月かぁ」
特別な夜だぞと思った 月夜の晩餐だ
冷たくひやしたジョッキにだばだばと麦酒をそそいで、ジンギスカン
in 猫の額ほどの我が家のベランダ
「月はどこ!」
身を乗り出すも方角的に月は見えず…
「でも… 月夜で明るい」と言ったら
「この辺はいつも明るい」と君が言った
ネオンまたたく札幌、それはそれで寂しい
「今日、めっちゃ寒いわー」
薄明かり 寒い月夜の晩
月のやさしいひとしずく 麦酒で乾杯
