まぁ 誰も聴いちゃいないだろうけれど…
耳を傾けるのはイカレタ僕くらいなものさ
今夜は君とブルースにしびれよう

2人が向い合せに座ったテーブル
おもいっきり陽に焼け、本来の色を失ったコカコーラのテーブル
その上にたっぷりと汗をかいたハイボールのジョッキがどんっと置いてある
僕はそれをぐいっと持ち上げた
そしたら…
ジョッキの滴がテーブル上に小さな水たまりをつくった
夜のネオンがうつりこんだ小さな水たまり
そして それは
美しい君も同時にうつしだしたのだった
「カミさん不細工な方がいい」吾妻光良&The Swinging Boppers
「もしもだ。これから肉しか食えない生活しなさいってのと野菜しか
食えない生活をしなさいってのとでさ、選択を迫られたらどうする?
つまり… 残りの人生 肉オンリーか?野菜オンリーか?ってことさ」
「何よ突然?質問?
… カンタン簡単。
肉ばかり食べてたら身体がおかしくなりそうでしょ、だから答えは野菜ね」
そう言った君の足がテーブルにふれた
… ネオンが揺れる
僕は鶏肉をほおばりながら
「しかしだね、肉のない人生ってのは…ブルースのない人生と同じで実に味気ないねぇ」
と大げさに嘆いてみせた
「やっぱり肉を喰おう」吾妻光良&The Swinging Boppers
「いったいなんの話?」
「ジャンプするブルース… とても真剣な話」
「ちっともわけがわかんないわ」
そう言った君が小さな水たまりの中で けたけたと笑った
ああ 素晴らしき秋の夜長
そう
兎にも角にも↓
”吾妻光良&ザ・スウィンギンバッパーズ”
30オーバーのロックな人生にマストな気がするのでした