
脈略もなく
このまま死んじゃったらどうしようと考えた
四角いマスが行儀よく並んだ
白い天井がかすんでみえて
視線の右側でかろうじて白いカーテンが揺れてる
そして
たくさんの管があって
機械があって
ぴーぴー言って
あー でも
誰かがそばにいる
いるのかな?
もう、エロい看護婦どころじゃないなぁ
「先生、どうなんですか?」
そんな声がかすかに聞こえたりする
眠い
眠い
良かったことも悪かったことも
楽しいも悲しいも
もう、どうでもいい
眠い
眠い
もう、痛くもなくなった
もう、痛くない
ぼくのとなりで寝てくれないか
君の胸で眠ろう
もう、夜の寝顔も明日の寝起きの顔もみられないだろうけれど
眠ろう
眠ろう
誰かの寝顔見られるうちは幸せだ
たくさんの年月を重ねていくうち
ぼくのそばからは誰もいなくなるかもしれない
「初雪がふりました」
テレビがそう言ってぼくを我に返したけど
妄想でふわふわしてたものだから
なんて名前の山だったかまったく思い出せない
ぼくはいいかげんだ