非常に空が近い

日傘グルグル

田舎の畦道では埃っぽい風が立ち止まり
いつもどおりギンギンギラギラ国道沿いに
沢山のアイスクリーム パーラーが立ち並んだ
この炎天下 いつ来るぞやしれぬ客を待っているのだ
僕は
とっておきのサングラスでアイスクリーム パーラーを襲う
というロックンロールな計画は止めにして
愛車に乗り込んだ
向かった先は、四国で一番九州に近い場所
いくつもの巨大扇風機がぶんぶん回っている場所

近くで見たら本当に デカカッタ
そこには大きく 誇らしげに三菱と書いてある
頑張ってはいるものの三菱扇風機は遠く九州を向いているので
四国は一向に涼しくはならず 暑い
我が家が暑いのはこのせいもあるのだろう
せめて 九州へ行けまいかと願いを込めたが
「たった それだけの銭じゃぁ 乗せらんねぁな」と船員は冷たく言い放
ち
ここで間髪いれず
やさしい船長さんが
「まぁまぁ 良いではないか やっこさん 乗って行きなされ」
とくるところだったが
そう うまく話はまとまらず
大きな船は僕を置いて行ってしまった

せめて お見送りでもと木影を通り抜け

小人の集落を駆け抜けた

そこには白い灯台

九州に一番近い灯台

ギンギンギラギラの夏
僕は退屈
たびのはじまり 佐田岬 蝉の声
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