「お前が生まれる前からそこにある」と言う
春も夏も秋も冬も
晴れでも曇りでも、雨振りだって
窓を開けるといつもそこに見えた
2人で木のそばを歩きながら
「この木、落ちた実が臭い ここ通る度に参る」と言ったら
「でも大きくて綺麗やが」と言ってあなたは立ち止まり木を見上げた

秋も終わりに近づく11月下旬
葉が色づき やがては散った
銀杏の木 その辺り一面は黄色の絨毯
冬の訪れ
あの時
「もしかしたら、切ないから歌があるんじゃなくて
歌があるから切ないんじゃないだろうか」
とあなたが僕に言ったのをふと思い出した

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