いつもの退屈な帰り道
すぐに酒に飲まれてしまう僕らは入店後30分で出来上がってしまった
真っ赤な顔をした君が
「にっちもさっちもいかないです」と言ったので
何が?と問うたら
「コーヒー屋のあの娘です。残念ですが、夢は夢のままですね」と言った
聞けばめっちゃいいとこのお嬢さんだったらしい
「そんな情報、もっと早い時点でつかみなよ」と僕が言うより先に
「この恋は一歩通行で欠陥だらけである」と犬と猫を例に持ち出して展開
貧乏な自分とお嬢さんつまり
のら犬が飼い猫に恋する話?
時折、話は脱線し何が言いたいのかよくわからない
そんな切ない空間で私はビールをあおりながら
じっと聞き入ったのでありました
「ああ また長いトンネルだぁ…」
と君は急に遠い目をして
右手で先ほどカラになったビールの空きビンを左右に振って見せた
マスター 沖縄のビールをもう1本

「じゃぁ 我が身の不運とあきらめるのかい?」
あの頃
君はいつも迷子だった
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