2010年07月26日

帯広のデヴィッド・ボウイB

ある熱心な読者から(奇跡的にそんな方がいるのだった)


”以前書いてた帯広の話はいったいどうなったのですか?”


とするどいご指摘をうけて、ああそうだったと反省

再び話を進めるわたしだった…


日勝.jpg


はるばる来たは日勝峠(にっしょうとうげ)


ここは道の駅「樹海ロード日高」極寒の地!


ルパン車.jpg


辺りは雪で真白けっけ

車から一歩足を踏み出せば、ずぼっとブーツが半分雪に沈んだ


「あー 寒い 寒い」嫁がオレへの当てつけのようにつぶやきながらトイレへ

雪の中をとぼとぼ歩き、道の駅トイレへ向かう嫁を横目にオレは車中泊の準備を始める

あまりに寒いので丁寧な作業にはならず、ざざざざーと荷物をハジに避け必要な道具

をガザゴソと引っ張り出した



「実にガサツではありますが、寝室兼キッチン兼リビングルームの完成です。我がドリームハウス」



言うて閉じこもった 


いやーこれはこれでなかなかいいんでないのと満足げに車内を見渡す



さー遅い夕食だね



すると、ガタガタとドリームハウスの玄関を揺らす不届き者が!


「さっ さっ 寒いー」と嫁のご帰還だ


「3秒以内に閉めてくれ。熱が逃げる」そういってオレはバーナーに火を点し、

鍋の準備に入った

換気の悪い車内でのバーナー使用は一酸化炭素が充満し非常に危険なのだが、

オレは友人のサンダース軍曹の言葉を思い出していた


「このまま寒さで死ぬよりバーナー焚いて暖かいまま一酸化炭素で死んだ方がまし」

*絶対に真似はしないでください。責任はもてません。非常に危険です。


彼が発した、ある極寒のキャンプ地での思い出深い迷言である



「同感じゃ 軍曹」



回想にふけってる間に、ある食材を適当にぶちこんだ”よせ鍋”が見事完成

そいつを酒でいっきに流し込み、温まったところで

「もう寝よう。もう寝ましょう。体が温かいうちに」

と寝袋を広げる

嫁も同調した それだけ寒かったのだろう

(そんな中でも彼女は冷静である。しっかり暖かい方の寝袋をキープしていた)



二人とも寝袋から顔も出さない完全な”みの虫”状態(少々息苦しいが一番

熱が逃げずに暖かい)で眠りのスタンバイ


で…

最初はいいのだ

寝始めは…


確かに体が暖まっているから

だが徐々にである

……

さっきまで非常にホットだったギアは、ニュートラルな状態へと近づいていく


寒い気がしないでもない… そんなこと考えたが最後!


いかん いかん 寝よう 羊を数えて


羊が1匹 羊が2匹 羊が3匹 羊が凍死…


いけん いけん 寝よう 寝よう


嫁が「寒い 寒い」と寝袋の中でつぶやく


「貴様の寝袋はマイナス14度対応ではないか… わたくしのは春と夏と秋までしか

対応出来ん作りなのだぞ!この過酷さがわかるか!気合いを入れろ!気合いを!」

と熱く迫りたいところだが寒いのでやめた (それだけ寒けりゃ車の暖房があるじゃ
ないかと皆言いますが、何が何でも車の暖房は使用しないのが我が家の鉄則であり
美学でもあるのでした)


とにかく眠りについた


でも目が覚めるとアットーテキに寒いわけだ


時間を確かめようと寝袋から手だけを出し携帯電話を探す


「さっ さぶー」


小さく声に出た

車内が凍結している 結露がそのまま ばきんばきんに凍っているのだ


時間、携帯電話どころではない、朝を待とう


またまた無理やり寝た


何度寒さで目が覚めただろうか… 


その何度目だかの目覚めでオレは外が若干明るくなっているのを感じ取った… 


朝だ…


ようやく朝日が昇り車内を明るく照らしはじめたころ、オレも嫁もゴソゴソと始動


「地獄、まともに眠れん。風邪ひいたっぽい」そんな弱気の発言の嫁


「まー 早めに出発するぞ」


簡単な朝食、支度を済ませ 我が夫婦は「樹海ロード日高」を後にした


目的地の帯広は近い

オレはハンドルを握りながらも

頭の中で昨夜の寒さを思い出し、今後はいかにその寒さをしのげば良いのかを考えていた

今後もこのような極寒地でのキャンプもあるだろう、オレらが住むここは北海道なのだ

寝袋の見直しに車内の装備…

色々と頭をめぐらせていたら


嫁が「わたしはもうこんな時期にキャンプとかしたくない。無理や」と言った


「バカやろー 諦めるのは早いぜ」

野良猫3.jpg

オレはまたもや番長風に決めて見せたが、


「とにかく嫌、昨日寝不足やし私は寝る」そう言って車の暖房をフルにした


帯広は近い 

帯広の道.jpg

オレはハンドルを握りながら、またさっきの続きを考え始めたのだった




つづく
posted by yuzamurai at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | たびの手帖(Thee 北海道編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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