沢山の野生動物の鳴き声がする
僕はそれに合わせてギターを鳴らした
タイコもポンポンと夜空に音を立てる

(北海道でロックンロールなキャンプサイトを見かけたら我が家である)
「雨だ」
雨がぱちぱち
焚き火ぱちぱち
ギターぎゅーん
「丸い地球は誰のもの? 砕け散る波は誰のもの?」
翌日
室蘭のチキウ岬(地球岬)に立った
雨あがりのぼやけた水平線

それでも地球は丸かった
いろいろ考える水平線だ

「丸い地球は誰のもの? 砕け散る波は誰のもの?」
階段を下り
札幌へと帰る
すると
乗車しようとする僕の視界になんだか妙な物が入って来た

それは車のわずかな隙間に転がった”夏のぬけがら”だった
友人の軍曹が去年の夏、北海道に居る間ずっとくわえていた禁煙パイポだ
「き、汚ない」
なんだかわからんが、べちゃべちゃになって汚なかった
笑えた
軍曹もジョニーも煙草は止めると言ってたな
禁煙は成功したのだろうか
丸い地球でいまさらそんなことを思った