いや 違った
もうひっこすことを、 決めたんだった
しかし、
あたらしい家は
今の家のように真夜中にギター弾いても
歌っても大丈夫だろうか
そんなちいさな悩みを抱えて
街のちいさな雪山にのぼった
「あたらしい家はどこだろう?」

見た目は平和な小山なのだが、登ってみるとたいへんだった
この小山はあたりに何もないせいか、ものすごい風が吹き抜けるからだ
一緒に登って来た知らないスキーヤーもバタバタとウェアをなびかせ、つらそうだ
「あ、あのー も、ものすごい風ですね」
強い風は声をかき消した
ひとりあるく

みんな
いま、なにやってんのさ
オレ、あたらしい家にひっこすんだよ
こんどさ
ばかなうた、歌いながら
一緒にゆれようぜ
ラベル:モエレ沼公園
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