
禁煙した4年間で、愛煙家をとりまく環境は大きくかわっていて
公共機関はもとより、そんじょそこらの飲食店も喫煙に厳しい
もう吸える場所は多くないのだと知った
我が職場も例外ではなく、敷地内は禁煙だった
僕はユニフォームにカーディガンをはおり、外へ出る
近所の公園、その脇道、そこで煙草に火をつけた
一服目のけむりは樹木をさけ、うえへ 空へのぼる
すると目の前、公園と道路を仕切る金網、
真っ白のビニール地に太く黒い字、歪んだ手書きの一文
“灰皿ありマス”
張り紙の下、アスファルトの上にステンレスのゆがんだ灰皿ひとつ
吸ってもよいが、吸いがらは捨てるなということか
職場の愛煙家達は言った
「あれはきっと煙草の神様の仕業」
10度をこえる春の陽気
真上の雲に穴が開いている
空の穴、けむりはそこへ吸い込まれた
ポイ捨ては止めよう、本日は晴天
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